私は同業他社からの転職組です。前職の会社の業績不振により転職してきました。元来モノづくりが好きで、技術者として活躍し続けたいという気持ちと、これまで大規模現場で培ってきたノウハウを活かしたいという気持ちで、現職に就いたのです。
現在は、主に現場監理をしています。現場とは、急な方向転換のできない大きな船のようなものです。竣工までの航路をあらかじめ頭に描き、多くの業者・職人達を無事に竣工まで導くのが役割です。技術者や職人達と交流しながら、少しずつモノができ上がっていく喜びを共有できるのは、技術者冥利に尽きます。
スーパーゼネコンである鹿島に対しては、顧客の見る目が違ってきます。要求レベルが非常に高いのです。前職では受け取ってもらえたような検討書でも、現在はさらに高度なものを求められます。しかし、これは手間というよりも、むしろ喜びと感じています。高度なものを求められるというのは、それだけ高い技術があると思われているわけです。そうした難題に立ち向かうときこそ、モチベーションが高まるのです。
たとえば、空港工事で止水壁工事をした際、止水性・圧縮強度共に、100%の品質確保が求められました。また、港湾で行った開削トンネル工事では、埋立地にある博物館の直近を、深さ20m掘削し、開削トンネルをつくりました。発注者からは、コスト面と品質面で、厳しい要求があがりました。これは鹿島だからこそ要求されたのであって、他社であったらそこまで要求されなかったと思われます。顧客の問題を解決し、要求をクリアして顧客に喜んでもらう。さらに自らも研鑽を重ねられる。これこそが、私の“やりがい”になっているのです。
規模の大小に関わらず、顧客はさまざまな問題、技術的な課題を抱えています。そうした問題に対して、スーパーゼネコンだからこそできる高度な内容・技術で対応する。顧客にとっては問題が解消される、私は技術に磨きをかけられる。発注者サイドに立って物事を判断することは、顧客からの高い評価につながるというだけでなく、自らの成長、企業の成長につながっているのだと、つくづく感じるようになりました。